弁護士ブログ


2017年10月17日

高校授業料無償は婚姻費用、養育費額に影響するか?

婚姻費用や養育費を定めるに当たっては、

算定式、算定表を用います。

この算定式では、標準的な学費等が考慮されたものとなっています。

 

それでは、公立高校授業料の無償の対象となる子がいる場合、

婚姻費用、養育費額は変化するのでしょうか。

 

この点が争われたものとして、福岡高裁平成22年9月29日決定があります。

同決定では、「子の通う公立学校の授業料はそれほど高額ではなく、妻の生活費全体に占める割合も

さほど高くはないものと推察されるなどの事情の下では、公立高等学校にかかる授業料の不徴収は、

夫が負担すべき婚姻費用の額に影響を及ぼすものではない。」としており、

同決定に対して、不服申立がなされたものの、最高裁も福岡高裁の決定を指示しております。

 

裁判官の論文でも同様に書かれており、

「(無償化)法の施行によって、子を監護する権利者の経済的負担が減少することは明らかであるが、

その経済的負担の軽減はそれほど大きいものではないし、同法が子の監護者の経済的負担の軽減と

教育の機会均等に対する寄与を目的とすることからすると、経済的負担が軽減された分については、

教育の一層の充実を期待するべきであり、原則として、同法の施行を婚姻費用分担額の算定に当たって

考慮する必要はないというべきである。」とされています。

(松本裁判官「婚姻費用分担事件の審理-手続と裁判例の検討」(家裁月報62巻11号76頁)

 

従って、公立高校の授業料が無償となる子がいる場合でも、婚姻費用や養育費額に影響しないものと

考えるのが実務の考え方と言えます。


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