預金を持ち出している場合の婚姻費用について|弁護士ブログ|離婚相談・離婚調停のお悩みは姫路市の城陽法律事務所へ

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2017年10月30日

預金を持ち出している場合の婚姻費用について

例えば、別居開始時に夫婦の一方が夫婦の共有財産である預金を

持ち出したとします。

この場合に、預金を持ち出した者が他方に対して婚姻費用を請求することは、

できないのでしょうか。

 

この問題は、実際の事案でしばしば登場しますが、原則的には持ち出した分を使い切るまでは、

負担しなくてよい、という考え方は一般的には採られず、

離婚成立時の財産分与で解決するか、相手方に管理を委ねていない当方名義の預金については、

不当利得返還請求で解決するかを検討する事となります。

 

これは、婚姻費用の月額は、双方の収入に基づいて算定されているため、

婚姻費用を支払う義務を負う者が、多額の夫婦共有財産を管理していたとしても、

これを理由に婚姻費用を多く払う必要がないのと同様、請求する側が管理していたとしても、

減額されない事によります。

(「家事事件・人事訴訟事件の実務~家事事件手続法の趣旨を踏まえて~」東京家事事件研究会編、法曹界刊P91)

 

ただし、持ち出した預金でかなりの年数にわたり婚姻費用が賄える、という場合等には、

例外的にこれを先に充て、婚姻費用の支払を行わずに済むケースもあり得ます。

 

また、婚姻費用の減額が認められない場合でも、管理を委ねられていない相手方名義の預金を持ち出した場合、

日本は夫婦別産制を採用しており、当該預金に対する具体的な権利は、離婚時の財産分与において初めて発生することから、

当該預金に対して現時点では権利を持っていない事となるため、不当利得として返還する義務を負う点にも注意が

必要です。

 

ご自身のケースでどう考えるべきかについては、

離婚事件の経験実績が豊富な姫路の「城陽法律事務所」まで

遠慮なくご相談ください。

 

 


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