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2019年03月28日

不貞行為による慰謝料を請求する場合の注意点

不貞行為により離婚せざるを得なくなった慰謝料(離婚慰謝料)や

不貞行為による慰謝料(不貞慰謝料)を請求する場合に、どのような注意が必要でしょうか。

 

まず、1点目は、前回情報提供させていただいた、最高裁の判決の存在です。

離婚慰謝料は原則として配偶者に対してしか請求できない、というものです。

原則どおりの場合、配偶者が賠償すべき金額と不貞行為の相手方が賠償すべき金額では、

通常は異なる(後者の方が金額が低い)ことが多いかと思われます。

 

2点目は、不貞慰謝料と離婚慰謝料の金額をダブルで請求できる訳ではなく、

判決で認められる離婚慰謝料の金額全額の支払を受けた場合、不貞慰謝料の支払を裁判で求めても、

離婚慰謝料全額の支払が明らかになると、請求が棄却されてしまうという点です。

離婚慰謝料として150万円の支払が判決で命じられ、その全額の支払を受けたとします。

不貞慰謝料は通常は100万円程度までと認定されることが多いため、離婚慰謝料として150万円の支払を受けたことが

明らかとなると、不貞慰謝料の訴訟では請求が棄却されてしまう事となります。

つまり、離婚慰謝料は不貞慰謝料を包含する関係にあるということです。

 

3点目は、配偶者、不貞行為の相手方のいずれか一方に対して先行して慰謝料の請求を

行った際の注意点です。

 

この点、いずれか一方との関係で先行して判決を得る、または示談を行った場合に、

一括して支払を受けた場合は、残された配偶者または不貞行為の相手方に対する請求において、

先行して受けた支払の金額を差し引くこととなりますが、これにより損をすることもありません。

 

対して、先行する当事者と分割払いの合意をした場合、例えまだ支払を受けていない金額が

あったとしても、残された当事者との関係で訴訟を起こすと、合意した金額全体が控除されてしまうことと

なる点に注意が必要です。

 

例えば、配偶者との関係で、先行して離婚慰謝料として150万円のうち50万円を一括して支払ってもらい、

残り100万円を12回払いとする旨の示談契約を結んだとします。

この後に、不貞行為の相手方に対する不貞慰謝料の訴訟を起こし、損害として100万円が妥当と裁判所が

考えたとします。

この場合に、先行して離婚慰謝料の示談の存在が明らかとなると、既に支払を受けた50万円が控除されて

100万円-50万円=50万円の判決が出るのではなく、

100万円-150万円=0円の判決が出ることとなってしまいます。

 

そうすると、例えば長期の分割であったり、相手方の支払能力に問題があるにもかかわらず、

先行する当事者との関係で示談を成立させてしまうと、残された当事者との関係で、債権額全体が差し引かれてしまうばかりではなく、

そもそも債権が焦げ付いてしまうと、回収ができなくなるという2重のリスクを負うこととなってしまいます。

 

ご自身の離婚のケースで、どのように考えるべきか、離婚問題で弁護士に相談、依頼をお考えの方は、

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