弁護士ブログ


2021年07月16日

調停時の注意-⑤調停前置が不要な場合

離婚調停や婚姻費用分担調停などを申し立てる際の注意点について

ここでも解説いたします。

 

調停時の注意-③において、お話したとおり、日本の裁判所の家事事件には「調停前置主義」の適用があり、

離婚等を求める場合、最初から訴訟等を申し立てることは原則としてできず、

まずは調停を申し立てる必要があり、いきなり訴訟等を申し立てても、裁判所は「付調停」の

決定を行い、調停手続に移す対応を取る事となります。

 

では、いかなる場合でも「調停前置」をとらなければならず、裁判所は「付調停」を行うのでしょうか。

この点については、家事事件手続法257条2項ただし書きは、「ただし、裁判所が事件と調停に付することが

相当でないと認めるときは、この限りではない。」と定めており、例外が認められています。

 

では、どのような場合に、例外が認められるのでしょうか。

例としては、まず、①相手方の所在が不明である場合が実務上、挙げられています。

これは、相手方の所在が不明であるにもかかわらず、調停を行っても、相手方の出頭の可能性が乏しいことから、

離婚調停等を申し立てずに、最初から離婚訴訟等を申し立てることができる、という考え方です。

ただし、相手方の所在が不明であることを申立て段階で資料でもって明らかにする必要があり、現在の住民票上の住所に

相手方が居住していない事を、現地調査の結果を報告(近隣住民からの聞き込み、郵便受けや電気メーター等の状況、家の外観の様子(例えば鎧戸を閉じたまま等)等を

写真付きで報告書の形で提出)する必要があります。

 

他にも、②審判前の保全処分として、監護者指定(離婚成立までの間、子の監護をどちらが行うかを決めるもの)や子の引き渡しの仮処分を申し立てる場合には、

保全処分が事件として裁判所に係属する要件として、監護者指定や子の引き渡しの本案事件(調停、審判)の申立てが必要ですが、

この場合に本案事件として、調停ではなく審判を選択して、審判前の保全処分の申立てと審判の申立てを行うことが認められています(実務上、むしろ調停ではなく

審判を申し立てるのが一般的です。)。

これは、監護者指定等については、離婚事件と異なり、調停を前置しなけれなならない旨の規定はないものの、裁判所が職権により調停に付することができる旨の

規定があることから、まずは調停から申し立てるよう、調停前置主義的な運用を行っているところ、

審判前の保全処分が申し立てられる場合、審判と同様に、法廷において双方が主張立証を行う対立構造を採った事件の進め方をすることから、

それであれば、一方では対立構造、一方では当事者間の互譲(双方の譲歩)の精神にもとづく話し合いの形の調停とするのではなく、

本案事件についても、対立構造を採った審判事件を選択する事に合理性があると考えられる事によります。

 

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