弁護士ブログ


2021年09月16日

離婚調停に提出すべき証拠-⑧離婚原因・悪意の遺棄

離婚調停において提出すべき証拠をここでも解説いたします

 

ここでは、離婚原因として「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)を主張する場合の証拠について

考えます。

 

悪意の遺棄の例としては、相手方が理由なく一方的に家を出て行き、

置き去りにした上、生活費の負担を全くしないという場合が考えられます。

もっとも、実際のところは、別居の原因がどちらか一方のみという事は少なく、

通常は、夫婦の価値観、考え方の相違あるいは性格の不一致を原因としている事が多く、

相手方が別居を敢行し生活費を払わない、というだけで直ちに「悪意の遺棄」に当たるとは評価されづらいものと

考えられます。

別居の原因が一方のみ、と判断される可能性がある場合として、相手方が不貞行為や暴力等の有責性の高い行為を行っている場合がありますが、

そうであれば、端的に、不貞行為や暴力等を理由に、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)があると主張すればよい事となります。

 

もっとも、「悪意の遺棄」を主張するのが適切な場合はあると実務上、考えられており、

その例としては、相手方が別居を行い、しかも住居所を知らせない場合が考えられます。

 

証拠としては、住民票を従前の通りとしている事を示すため、別居以降の住民票を提出する他、

相手方の居所を調べるため、相手方の実家等にも連絡を取ってみたが、回答を得られなかった等の報告書の提出、

相手方の勤務先にも連絡を取ってみたが、本人の希望で教えてもらえなかった等の報告書、

警察に捜索願を出したところ、相手方は見つかったが、本人の希望で連絡先等を教えられないと言われ、見つかった以上、捜索も打ち切ることと

なった旨、警察から連絡を受けた場合等に、その内容の報告書の提出が考えられます。

(以上は、実際、離婚訴訟の段階ではありますが、当事務所で公示送達の申立をする際に資料として提出した事があります。)

 

なお、離婚調停の場合、離婚訴訟と異なり、「公示送達」の方法を採ることが出来ないものと考えられます。

そうすると、勤務先が分かっている場合の「就業先送達」の利用が考えられますが、離婚調停の場合、裁判所はその利用を

行わない運用を採っている可能性があります(姫路支部でもそのように回答を得たことがあります。)。

理由としては、話し合いを前提とした調停にもかかわらず、勤務先に「離婚」というプライベートな事情が知られ得る状態に置いたことに

相手方が最初から感情的となる事が予想されるためとされています。

 

住民票の移動や転送届もなされておらず、勤務先も退職しているし、相手方の実家にもいない、という場合、相手方の所在は全く分からないことと

なりますが、このような場合、離婚調停を申し立てることは事実上、難しいこととなります。

このような場合は、離婚訴訟を最初から申し立てることも検討せざるを得ないかと思われます。

調停前置主義が採られており、原則として離婚調停を先に申立て、これが不成立となった場合に離婚訴訟とすべきですが、

家事事件手続法257条2項は「ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当ではないと認めるときは、この限りではない。」としており、

事案によっては、離婚調停を経ていなくても離婚訴訟として進めることが出来る旨の規定があり、調停に付するのが相当ではない理由を根拠資料と共に

明らかにして、裁判所の判断を求めることが考えられます。

(青林書院刊・秋武憲一著「概説家事事件手続法」p290も、「例えば、相手方が所在不明であるような場合は、

調停をしても出頭の見込みがないので、家事調停をせずに訴えの提起をすることができると考えられる。」と解説しているところです。)

ただし、このような進め方を求める場合は、離婚訴訟における公示送達の申立と同様、

方々、調査を尽くしたが居所が不明であったことを資料でもって明らかにする必要があるかと思われますので、

弁護士が代理人として弁護をする必要性が高いかと思われます。

 

離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。

豊富な解決実績にもとづき、お客様と一緒によりよい解決方法をかんがえます。

 


夫婦問題・離婚相談のご予約・お問い合わせはこちらまで


tel.079-286-8040
受付時間/9:00~18:00 休日/土・日・祝祭日

このページの上部へ戻る
Copyright© Joyo lawyer Office All Rights Reserved.