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2021年10月26日

離婚調停に提出すべき証拠-⑯財産分与・退職金

離婚調停に提出すべき証拠をここでも解説いたします。

今回は、離婚調停や離婚訴訟等における、離婚時の夫婦間の財産分与において、

退職金を財産分与の対象として主張する場合について考えます。

 

財産分与の対象となり得るものとしては、勤務先の退職金の他、

確定拠出年金等が考えられます。

 

通常、相手方の退職金が幾らであるかを他方が調べる事は困難である事から、

離婚調停等において、調停委員を通じて、相手方に対し、①勤務先発行の退職金額の証明書(別居開始日等、財産分与の基準時に

自己都合退職した場合の金額。定年退職が近い場合は、定年時に定年退職した場合の金額)を

提出してもらうか、②退職金規程等、退職金額の計算の根拠となる資料を提出してもらい、これに基づき

計算する事が考えられますが、退職金については、賞与と同じく、人により変動する要素がある場合もあるため、

一義的に計算できない場合もある事から、この場合は、①を提出してもらう事になるかと思われます。

 

また、注意点として、退職金が無くても、確定拠出年金等がかけられている場合がありますので、

その累積額の証明書を出してもらう事も合わせて依頼する必要があります。

 

なお、退職金については、①婚姻前の勤務期間に対応した部分の退職金額については、離婚時の財産分与の対象から

外す必要がある、という問題が生じます。特に資料がなければ、退職金額を、婚姻前に働いた期間と婚姻後、別居開始日までの期間で

割合的に按分する事になります(いつから勤務が始まったのかが分かる資料も必要となります。)。

細かい話としては、退職金額は、毎年均等に積み上がるのではなく、年齢が上がれば上がる程、積み上がる金額が多くなるのが

通常です。このため、勤務を始めてから結婚するまでの期間がそれなりに長い場合には、婚姻時に自己都合退職をしていた場合の退職金額と、

離婚の財産分与の基準時に退職していた場合の退職金額の差額を財産分与の対象と考える事もあり得る事から、基準時の退職金額だけでなく、

婚姻時の金額の証明書も提出するとより正確な金額となります。

 

また、②退職金の場合、定年退職の時期が大分先、と言う場合、そもそも退職金を財産分与の対象に含めることが

できるのか、そのような金額の退職金が本当に支払われる蓋然性がどの程度あるのか、という問題が生じます。

 

この点、公務員等であれば、退職金支給の蓋然性が高いと言える事から、例えば10年程度先に定年となる場合でも

離婚時の財産分与に含まれる、と考える方向に働くかと思われますが、中小企業の場合、10年も先の事は分からない(会社自体が倒産している事もあり得る)

事から、離婚時の財産分与の対象に含まれないのではないかという方向に働く可能性が出てきます。

会社の業態や業績、規模等により総合的に考えることとなります。

 

なお、確定拠出年金については、支給されないのではないか、という問題は発生しないため、

財産分与の基準時に積み上がった金額(から、婚姻前に積み上げた金額を引いた額)を財産分与の対象とすることに

なります。

 

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