
離婚と保護命令について
離婚の原因として、配偶者から暴力等を受けているというケースがあります。
このような場合、離婚調停等を起こすだけでなく、DV防止法による保護命令の申立を
裁判所に行うことが適当な場合があります。
保護命令の内容としては、
①相手方が6か月間、申立人の住居や勤務先等の付近を
徘徊してはならない、という接近禁止命令
②6か月間、子の住居や通っている学校等の付近を徘徊してはならない、という
子への接近禁止命令
③6か月間、申立人の親族等の住居、勤務 ...
不貞行為の慰謝料の金額
不貞行為を理由とした慰謝料請求を行う場合,
その理由付けとして一般的に主張されることが見受けられるのは,
・婚姻期間の長さ
・不貞行為当時の夫婦の円満の程度
・不貞行為の期間の長さ
・不貞行為の態様の悪質さ
・不貞行為の結果,生じた婚姻共同生活の破壊の程度
・未成熟子の存在
・資産・収入
といった事が多いです。
では,これらの事情は,実際に判決において不貞行為の慰謝料の金額を
決める上で影響するのでしょう ...
離婚訴訟に関連した請求の注意点
離婚調停が不成立となった場合、離婚訴訟を提起することが
できます。
離婚訴訟では、離婚原因に関連した損害賠償請求も、同じ訴訟の中で
合わせて請求を立てることができます(人事訴訟法17条)。
典型例は、不貞行為や相手方の暴力が離婚原因として挙げられている場合、
これを理由に、離婚慰謝料を求める場合がこれに当たります。
ただし、離婚原因に関連した「損害賠償請求」である必要があるため、
例えば不当利得返還請求を、離婚訴訟の中で立てることはできない点に注意が必 ...
離婚事件において弁護士が代理人がつく事の意味
離婚事件は、夫婦双方が話し合いを行い、納得のいく解決ができれば、
本来、弁護士が代理人につく必要はないのかもしれません。
(合意される内容が法的に適合しているのか、という問題は残るかもしれませんが。)
では、弁護士が離婚事件の代理人につく意味はどのようなところにあるのでしょうか。
①依頼されている事柄について、直接、相手方とやり取りをする必要がない。
代理人が就いていない場合、相手方から質問や要求事項などが来た場合、ご自身で返答
する必要があります。 ...
養育費増額請求の要件「事情変更」について
養育費が調停や審判等で決まった後、大学進学等の事情が生じた場合に、
ケースにより増額請求を行うことが可能です。
この点、養育費の増額、減額を請求するには、調停、審判等の時点で予測できなかった事情が
新たに生じることが必要と考えられています。
では、調停、審判の時点で予測可能ではあったものの、具体化していなかったため、前提とならなかった
事実がその後、具体化した場合はどのように考えるべきでしょうか。
この点、東京高裁平成29年11月9日決 ...
子の引渡の強制執行について
離婚を行う際に、親権を夫婦のどちらかが取得することとなりますが、
離婚時に親権者と定められた者が、非親権者に対し、子の引渡を求めることがあります。
任意に非親権者が応じない場合は、「民事執行法」に基づく子の引渡の強制執行の申立を
行うことが考えられます。
通常、まずは「間接強制」といい、引き渡さない場合に制裁金を課す形で、引渡を促しますが、
これでも応じない場合、「直接強制」といって、執行官が子の居場所に訪れ、子の引渡を受けることと
なります(力づくで奪い取ること ...
女性からの離婚事件のご依頼
当事務所にご依頼いただく離婚事件の7割程度は女性からのご依頼となっております。
女性からのご依頼の場合、
①親権の確保
②生活費の確保
③将来の生活のため、財産分与、慰謝料等の確保
④相手方からのDV、ストーカー行為等に対する対処
などが重要となることが経験上、多いです。
①については、「夫側の方が収入が多く、女性が無職あるいはパート収入程度である事から、
親権上、不利ではないか」という不安を述べられることが多いです。 ...
離婚調停の進み方
これまで、離婚、男女関係に関するご相談を多数、承ってきましたが、
「離婚調停はどのように進むのですか?」という手続に関する疑問、ご相談も合わせてうかがう事が
あります。
そこで、今回は、離婚調停がどのように進むのかについてお話しします。
離婚調停を行うには、まず、離婚調停の申立書を裁判所に提出するとことから始めます。
弁護士に依頼される場合、申立書等は弁護士が作成します。
提出先は、離婚調停の管轄である、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所となります。
...
男性からの離婚事件のご依頼
当事務所は、男性からの離婚事件、男女関係の事件のご相談、ご依頼も
多いことが特長の1つです。全体の2~3割程度は男性からのご依頼となっております。
男性の離婚事件の場合、妻よりも高年収であることが多いことから、
別居開始後、離婚成立までの間の生活費(婚姻費用)を支払う側の立場であることが多いです。
このため、必要以上の支払にならないよう注意を払う必要があります。
よくあるケースとして、婚姻費用として同居時と同程度の生活費の支払を求められることがあります。
しかし、 ...
財産分与における過去の婚姻費用の清算
別居以降、離婚が成立するまでの間、生活費(婚姻費用)を求めることが
あります。
話し合いがまとまらない場合、婚姻費用分担調停(場合によっては、離婚調停と合わせて)を起こすことと
なります。
この点、婚姻費用分担調停、審判においては、一般的に婚姻費用分担の調停を申し立てた時以降の分を
対象と考えられております。
近時は、内容証明等、婚姻費用の請求の意思を明確にした時点とする立場も
増えてきておりますが、いずれにしろ、このような調停あるいは内 ...