離婚の際の別居を行うに際し、注意すべき点⑥ 違法な連れ去り|弁護士ブログ|離婚相談・離婚調停のお悩みは姫路市の城陽法律事務所へ

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2021年06月03日

離婚の際の別居を行うに際し、注意すべき点⑥ 違法な連れ去り

離婚の協議や調停等を行うに際し、別居を行った上で手続を

進められる方は多いかと思われます。

ここでは、引き続き、離婚の協議や調停等を行う際の別居に当たって注意すべき点を

解説いたします。

 

お子さんがおられる場合に、お子さんを連れて別居される事をお考えの方も多いかと

思われます。離婚に際しては、親権者の指定を行う必要があるため、ご自身がお子さんの親権を取得したいと

お考えの場合に特に顕著かと思います。

この点、配偶者がお子さんを連れて別居することを了承している場合には、特に問題にならないかと思いますが、

了承していないにもかかわらず、お子さんを連れて別居した場合に、離婚調停や訴訟等において、親権をどちらが取得するかに関し、

「相手方は、子を違法に連れ出しているから、親権を取得するのは不適切である。」という主張がなされることがあります。

 

親権をどちらが取得すべきか、については、お子さんの年齢やこれまでの監護状況、別居後の監護状況、年齢によりお子さんの意思など

様々な要素から総合的に判断されるものであり、「違法な連れだし」があったか否かについては、その判断要素の1つという位置づけには

なりますが、裁判所に「違法な連れだし」と認定された場合、親権の取得に関して影響を持つ、不利な要素となることは間違いありません。

 

では、「違法な連れだし」に当たるか否かは、どのような要素が考慮されるのでしょうか。

過去に城陽法律事務所が依頼をお受けした件でも、「違法な連れだし」との主張が相手方からなされた事があります。

親権に正面から争いがある場合、通常は、離婚調停とは別に、「子の監護者指定の審判」等を申立て、その中で、

離婚が成立して親権者が決まるまでの間の別居中のお子さんの監護をどちらが行うべきかをまず決めることが多いです。

当事務所が過去に担当した複数の「子の監護者指定の審判」における判断を見る限り、

 

まずは、①これまでお子さんの監護(身の回りの世話。食事、洗濯、掃除、送り迎え、寝かしつけその他一切)を主にどちらが行ってきたのか

(これを「主たる監護者」と言います。)が重視されていると考えられます。お子さんを連れて別居した側の親が、これまでお子さんの監護を

主に行ってきた「主たる監護者」に当たる場合、お子さんの監護を中断する訳にはいかないことから、別居を行うに際し、お子さんを連れていくことは

やむを得ないのではないか、という観点です。

そして、②別居開始の態様についても判断要素の1つとなると考えられます。過去に担当した事件は、どれも、配偶者に対して事前に何も言わずに

だまってお子さんを連れて別居を開始した、というものでしたが、相手方はこの点を違法な連れ出しと判断すべき要素として挙げていましたが、

裁判所は違法とは判断しませんでした。

 

なお、私が担当した事案は、いずれもお子さんがある程度幼少であり、お子さんがある程度の年齢になられている場合

(例えば、親権を決めるに際し、離婚調停、訴訟等において、子の意見を聞かなければならない、と定められている15歳以上の子)

については、お子さん自身が主体的に、別居に当たってついていくか否かを判断する力を持っていると考えられることから(また、そもそも別居に

納得いっていない場合、自力で元の場所に戻ってしまうかと思われます。)、

判断枠組みは変わり得る可能性があると考えられます。

 

以上の経験を踏まえると、まず考えるべきは、ご自身が主たる監護者に当たると言えるのかどうかがかなり重要と言えます。

ただ、主たる監護者に当たる場合に、どのようなケースでも「違法な連れ出し」には当たらないと裁判所が評価するとは思われません。

例えば、相手方が立ち塞がって制止しているところを、暴行を加えて強行して連れ出した等の場合、「違法」と評価される可能性があるように

思われます(そもそも、暴行を加えることは刑法上の犯罪にも該当し得る他、民法上の損害賠償の問題も起こり得ます。)。

従って、別居の態様が平穏なものである必要があると言えます。

 

なお、「違法な連れ出し」を行い、監護者とは指定されなかった側の親が、他方に対して、監護していた期間の

監護に要した費用を婚姻費用として請求できるか否かについて、東京高裁平成30年4月20日決定は、

「婚姻費用の分担の問題は,子の監護に要する費用の分担の問題を含み,その費用を夫婦間で公平に分担させようというものであるから,

実際に発生した費用ないし発生すると統計等により算出される費用を双方に収入その他の考慮要素に応じて負担させることが相当である。

そうすると,例えば,子を違法に監護した者から,監護に要した費用を請求された場合には,

これを権利濫用ないし信義則違反に当たるとして許されないことはあっても,逆に,子を監護しなかった者から,

違法に監護していた者に対し,現に負担しなかった監護費用を請求することは,監護費用には損害賠償の趣旨は含まれていない以上,

これを認めるべきではないと考える。」

と判断しており、権利濫用に当たり許されないと判断される可能性があります。

 

「別居」はこのように、離婚の際の親権の取得にも影響し得る重要な場面と言えます。

その他、別居後の対応もあることから、事前に弁護士と相談、依頼の上、進めることも肝要と言えるかと思います。

 

離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は、姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。

豊富な解決実績にもとづき、お客様と一緒によりよい解決方法をかんがえます。

 


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