調停時の注意点-⑬ 申立書等の書き方3 書面や文章は長ければ長いほどよい?|弁護士ブログ|離婚相談・離婚調停のお悩みは姫路市の城陽法律事務所へ

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2021年08月06日

調停時の注意点-⑬ 申立書等の書き方3 書面や文章は長ければ長いほどよい?

離婚調停や婚姻費用分担調停等を申し立てる際の

注意点をここでも解説いたします。

 

裁判所の受付に置かれているチェック式の申立書では、申立に至った経緯や理由を

記載する部分があまりない事から、別途、主張を行うには意見書で記載することも

考えられることは、既にお話ししました。

 

では、書面をどのように書けばよいのでしょうか。

考え方の1つとしては、これまでの経緯を事細かく、1から記載するという方法があります。

このやり方は、主張にもれが出にくくなる、という点ではよいのかもしれません。

しかし、調停委員や裁判官などは、問題が起きた当初から事件を見てきた訳ではなく、

初めて事情を当事者双方から聞き、事案を把握するという立場にあります。

何も知らない、情報がゼロの読み手に対して、事細かく1から全て事実を記載するのが適切なのか、

消化不良になるのではないか、という問題があります。

 

また、広い意味では争点に影響する事実なのかもしれませんが、通常は、事案の判断に際し、

重要なポイント、事実、証拠は、ある程度限られたものになる事が多いです。

例えば、暴力を理由にした離婚調停の場合に、殴られた際の一部始終の動画が残っているとなると、

この証拠を出しただけで、通常は暴力の認定が出来る、という事になるはずです。この場合に経緯を細かく

書かなくても、これこれの理由で、いついつ、相手方から○○などの暴力を振るわれた旨、主張しておけば、

よいという事はおわかり頂けるかと思います。「百聞は一見にしかず」、ということわざ通りです。

もちろん、状況証拠、間接事実の積み上げにより、暴力や不貞行為等の立証を行うという場合もありますが、

その場合でも、重要な事実、証拠はある程度限られる事が多いです。

 

更に、文章が長いと、それだけ全体の意味が分かりづらい、結局、何がポイントなのか分かりづらい、

趣旨がぼやける、という問題があります。どうしても多くの項目を記載しなければならない場合でも、

項を分け、項数をつけた上、見出し、小見出しなどを適宜つけるなどして、論旨の流れを読み手に分かりやすくすることが

有用です(書籍を購入する際に、目次の欄を見る方もおられるかと思います。目次を見るだけで、その本がおおよそどのような事を

書いてあるのかを理解する事ができる事と似ています。)。

 

このように考えると、書面が長ければ説得力があるのか、と言うと、そんな事は全くない、という事が

お分かりいただけるかと思います。

 

以上から、城陽法律事務所では、文章や書面の作成に際しては、要点を絞ったり、重要性の程度に応じて長短をつけるなど、

できるだけコンパクトに整理して主張することを意識しています。

(何でもコンパクトという訳ではなく、例えば、お客様のお気持ちの問題として、これだけはどうしても述べておきたい、という点については、主張書面に記載したり、

主張書面では出しにくい事情については、陳述書の中で記載するという事はあります。)

「裁判所は仕事としてやっているのだから、読めばわかるだろう」と考えるのではなく、「裁判所が余計なストレスやノイズを感じることなく、

一読して了解していただけるような書面にする事で、こちらの言い分を十分に理解していただきたい」と考えています。

一から十まで記載するよりも、要点を取捨選択して、論旨を順序立てて分かりやすく記載する方が、はるかに難しく、普段から意識して行う事が

重要です。

この辺りからも、複雑難解な事件ほど、弁護士に依頼する必要性が高まるように考えられます。

 

離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。

豊富な解決実績にもとづき、お客様と一緒によりよい解決方法をかんがえます。


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