成人年齢引下げによる離婚裁判実務の影響の有無-②「成年に達するまで」をどう解釈するか|弁護士ブログ|離婚相談・離婚調停のお悩みは姫路市の城陽法律事務所へ

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2022年04月14日

成人年齢引下げによる離婚裁判実務の影響の有無-②「成年に達するまで」をどう解釈するか

今回も、令和4年4月施行の成人年齢18歳へ引下げによる、離婚裁判実務への影響について

考えます。

 

前回は、令和4年4月以降、離婚調停や離婚訴訟の判決、養育費調停・審判等で離婚以降の養育費を

取り決めた場合でも、成人年齢引き下げを行う以前と同様、養育費の支払の終期は子が20歳に達する日の属する月までと

するのが原則となることを解説いたしました。

 

今回は、成人年齢引下げ以前に、当事者間で、「子が成人に達する日の属する月まで、月○万円の養育費を支払う。」等の

合意を行っていた場合について考えます。

この場合に、令和4年4月以前の段階では、「成人」が20歳を指していた事に争いはないと考えられますが、

令和4年4月以降においては、「成人」は18歳を指すこととなり、養育費の支払の終期が18歳に切り替わるのでしょうか。

 

この点、東京家裁判事の佐藤康憲裁判官の「成年年齢引き下げに伴う家庭裁判所実務への影響と注意点」(日本加除出版株式会社刊「家庭の法と裁判No37」P9以下)

では、「協議、家事調停及び和解において合意された「成年」の意義は、改正法の成立又は施行後においても、満20歳に達する日(又はその日の属する月)までと

解することが相当である。」とされています。

その理由として、①合意当時、民法上の成年年齢は20歳であり、合意した当事者の意思も、終期を満20歳に達する日(又はその日の属する月)までとする

趣旨だったと解されること、②当事者が養育費の支払期間を合意するに当たって前提としていた監護の状況や教育内容等は成年年齢が18歳に引き下げられたとしても

変わりは無く、後に成年年齢が変動したことを理由として養育費の支払期間を短縮することは当事者の意思に合致しないと考えられることが挙げられています。

 

また、改正法の施行前に既に確定している審判及び判決によって、養育費の支払義務の終期が「成年」に達する日までと定められている場合についても、

「最終的にはその文言の解釈する裁判所の判断に委ねられることとなるものの、基本的には前記の合意に関する検討が同様に妥当すると考えられることから、

審判又は判決時の成年年齢である満20歳に達する日までと解することが通常となろう。」と解説されています。

 

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