離婚調停に提出すべき証拠-61 離婚事由:性的不能
離婚調停、訴訟等に提出すべき証拠を考えます。
今回は、離婚の理由として、相手方の性的不能を主張する場合について考えます。
離婚の合意が出来ない場合、離婚訴訟においては、法律上の離婚事由の有無が争点となり、
法律上の離婚事由が認められると裁判所が判断した場合に、判決で離婚が認められることとなります。
民法770条1項5号は、「婚姻を継続し難い重大な事由」を法律上の離婚事由として定めているところ、
配偶者が性的不能の場合は、一般的には、婚姻を継続し難い重大な事由に当たり得ると考えられています。
その理由は、婚姻関係は、男女の精神的・肉体的結合であり夫婦間の性関係に重要性が認められると裁判所は
考えています。ただし、夫婦の形態も様々であり、元々病気であったとか、年齢が高齢であるなど、夫婦間で、性関係について
重視しない旨の合意があると認められる場合は、この限りではありません。
また、性的不能については、治療法も存在すると考えられることから、一時的なものではなく、ある程度の期間、性的不能の状態が継続
している事も必要と考えられます。
なお、婚姻前から性的不能であったにもかかわらず、これを告げずに婚姻した場合、
告げなかった事自体が「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。
そこで、性的不能の点を立証する証拠として、クリニック等の診断書、カルテの写し等や夫婦間のやり取りを示すメール、LINE等や
経過を記した日記、全体の経緯を明らかにする陳述書などを離婚調停、訴訟等に提出することが考えられます。
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