家族法改正による離婚調停、離婚訴訟への影響-④父母に同意がない場合で共同親権を選択される場合はどんな場合か?
家族法改正による離婚調停、離婚訴訟への影響について解説いたします。
今回は、離婚調停、訴訟において、父母の一方が共同親権を主張するのに対し、他方が単独親権を主張する場合に
裁判所が共同親権が選択する事はあるのか、あるとすればどのような場合なのかについて考えます。
先の解説(家族法改正による離婚調停、離婚訴訟への影響-③共同親権の選択ができない場合)
で述べた通り、
①父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき
②父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無、協議が整わない理由その他の事情を考慮して、父母が共同して
親権を行うことが困難であるとき
③父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるとき
は裁判所は共同親権を選択する事ができません。
従って、裁判所が共同親権を選択できるのは、①~③の事情が認められないケースに限られます。
もっとも、①~③の事情が無い事案は共同親権が選択されるのかと言いますと、改正法は共同親権を原則と考える等と規定していないため、
共同親権を選択される場合もあれば、そうでない場合もあるという事になります。
裁判所が用いる物差しは、「父母の双方を親権者と定めるかその一方を親権者と定めるかを
判断するに当たっては、子の利益のため、父母と子との関係、父と母の関係、その他一切の事情を考慮しなければならない」(改正民法819条7項前段)
というものですので、これらの相関関係で考える事となります。
立法担当者の解説では、父母の同意がない場合でも共同親権を選択することが子の利益のために望ましい例として、
①同居親と子との関係が必ずしも良好ではないために、別居親が親権者としてその養育に関与することによって
子の精神的な安定が図られるケース
②同居親による子の養育に不安があるが、児童相談所の一時保護の対象になるとまではいえず、別居親の関与があった方が
子の利益にかなうケース
③父母間の感情と親子関係とを切り分けることができる父母のケース
④支援団体等を活用して子の養育について協力することを受け入れることができるケース
⑤当初は高葛藤であったり、同意が整わない状態にあったりしたが、調停手続の過程で感情的な対立が
解消され、親権の共同行使をすることができる関係を築くことができるようになるケース
などが想定される、とされています(法務省民事局参事官北村治樹、法務省民事局付松波卓也「父母の離婚後の子の養育に関する「民法等の一部を改正する法律」の解説(1)」
114頁)。
裁判官が実際にどのようなケースで共同親権を認めるのかについては、実際の運用を待たなければ不明ですが、
差し当たり、共同親権を求める側からは、上記①~⑤に該当する事案であることを、単独親権を求める側からは、上記①~⑤に該当しない
事案であることを、具体的な事実に基づき主張、立証する事が有用と考えられます。
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