離婚成立前の別居開始時の子の「連れ去り」について|弁護士ブログ|離婚相談・離婚調停のお悩みは姫路市の城陽法律事務所へ

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2020年04月01日

離婚成立前の別居開始時の子の「連れ去り」について

夫婦間に未成年の子がいる場合、離婚を成立するに際し、親権者を決める必要があることは

ご存じの方も多いかと思われます。

 

離婚の協議や調停等を行うに際し、夫婦が同居の状態で進めることもありますが、

離婚調停等の当事者が同じ家に住んだ状態で話しを進めることは、精神的な苦痛が大きいため、

別居を行った上で離婚の協議や調停等を行う事も多いかと思われます。

(当事務所がこれまで解決してきた事案でも、同居事案よりも別居事案の方が数として圧倒的に多いです。)

 

このように、別居を行った上で離婚の協議や調停を行う場合、未成年の子を連れて別居できるのかどうか、

という問題が生じます。

離婚調停等で、親権を争う上でよくある主張として、「離婚調停を起こす前に相手は別居を始めたが、

了承なく子を連れて別居したものだから、違法に子を連れ去ったものであり親権としての適格性を欠く」というものが

あります。

 

それでは、別居開始時に子を連れていく=違法との評価が正しいのでしょうか。

この点は、子の年齢が何歳なのか、同居中に子の監護(食事、洗濯、掃除等身の回りの世話)を主に行ってきたのは

夫婦のどちらなのか、別居の原因は何なのか、年齢によっては、子自身は監護についてどのように考えているのか

等の様々な要素を考慮して検討することになるかと思われます。

 

例えば、子が15歳以上であれば、親権者を定めるに際しても、原則として子の意見通りとなることが多いです。

離婚成立までの間の監護者をどちらにするかについても、同様に考えられますので、子が15歳以上の場合、子自身が

別居する親について行きたいと考えているのであれば、離婚までの間の監護者及び離婚後の親権者はその親になる可能性が高いと考えられます。

子が15歳未満であるものの、これに近い年齢の場合も同じように考えられる場合が多いかと思われます。

 

これに対し、子が幼少の場合、同居中に子の監護を夫婦のどちらが主に行ってきたのか等が重要なポイントになるかと

思われます。主に監護を行ってきた親が別居せざるを得なくなった場合に、子を置いて監護を放棄して家を出て行く事など

できず、引き続き監護を継続する必要があることから、違法な連れ去りには当たらないと評価される可能性が高いものと

考えられます。近時、このような内容の審判を当事務所は獲得しております。

(ただし、一度、子を置いて別居を開始したにもかかわらず、相手方が不在の間に隙を狙って子を連れて出たとか、

別居開始後に子と面会し、そのまま相手方に子を返す約束を反故にして連れ去った等の場合は、違法の評価がなされる可能性が

高まるものと考えられます。)

 

離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は、姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。

豊富な解決実績に基づき、お客様と一緒によりよい解決方法をかんがえます。

 

 


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