各請求の注意点

離婚する時、何を決めるべきですか? それぞれの意味とポイントは?

離婚
親権
面接交渉権
財産分与
婚姻費用分担請求
養育費
慰謝料
年金分割


離婚

日本国内で離婚するためには、3つの方法があります
夫婦が合意して離婚届を作って、役所に提出する離婚手続き
メリット
  • ・特に争いなければ、費用、時間かけず手続きも簡単です。
  • ・法律で定められた、離婚するだけの理由(「離婚原因」)がない場合でも、交渉次第では離婚成立が可能です。
デメリット
  • ・夫婦双方が調印しなければ、離婚が成立しません。夫婦で話し合いが難しい場合、時間だけが無駄に過ぎてしまう危険が。
  • ・協議書を交わした後、相手がお金を払ってくれない場合、そのままでは強制執行を申し立てられません。別に訴訟等を起こして、判決等を取る必要があります。
利用する場合、ここに注意!

親権者をどちらにするか決める

20歳未満の子がいる場合、親権者をどちらにするか
決める必要があります。

親 権

取り決めしておかないと、後でもめる危険が!

離婚(と親権)だけ決めても協議離婚できますが、財産分与、慰謝料、養育費など取り決めしておかないと、後でもめる危険が!

  1. ①特に、何かを請求できる権利を決めておく場合、離婚届だけでなく、離婚協議書をつくっておく必要があります(口約束も有効ですが、証拠がないと後で否定された時に証明できません。支払う側も、それ以上に支払う必要がないことを証明するメリットがあります)。
  2. ②協議書の内容があいまいだと、後でもめる危険があります。
  3. ③支払を求める側であれば、出来れば、公正証書にした上で、「支払わなかったら、強制執行に服しても構いません」という「強制執行認諾(にんだく)文言(もんごん)」をつけておきたいところです。
合意を確実にしたり、有利に交渉するためにも、弁護士に相談・依頼した方が安心です!

折り合いがつけば、判決と同じ強制力がある、裁判所発行の「調停調書」の形で合意を残すことができます。
メリット
  • ・「裁判」ではなく、話し合いの一種なので、裁判よりは対立している感じが少なくなりやすいです。
  • ・「裁判」よりは、提出する書類の様式がきびしくなく、受け付けてもらいやすいので、法律家ではない方も自分で書類をつくりやすいです。
  • ・中立の立場の調停委員が間に入って、夫婦双方の言い分を聞くので、夫婦同士が直接交渉する協議離婚より、感情的になりにくいです。
  • ・夫婦の待合室は別々で、交互に話しを調停委員が聞くなど、直接顔を合わせないための配慮があります(調停成立、不成立を決める場合には同室を求められること多いです)。
  • ・法律で定められた離婚するだけの理由「離婚原因」がなかったり、証拠が足りない場合でも、交渉次第では離婚成立が可能です。
  • ・調停も判決を同じ効果をもち、相手がお金を払わない場合、強制執行を申し立てることが可能です。
デメリット
  • ・話し合いの一種なので、双方が合意しなければ、離婚できません
  • ・「訴訟」ではないので、どちらが悪いのか、いくら払うべきかなど、裁判所が結論を決めてくれる訳ではありません
  • ・裁判所の手続きなので、裁判所に決められた日時(平日の日中)に行く必要があります。
利用する場合、ここに注意!

自分の言い分の主張や立証は自分でする
調停委員は、言い分は聞いてくれても、どちらかの味方をしてくれる訳ではありません。

結論を出す際には注意が必要
調停委員の中には、話をまとめる事を優先して、判決になったらどちらが有利か、結論が公平かという視点ではなく、譲歩してくれやすそうな方に譲歩を求めたり、法的にどうかではなく、自分の価値観で意見を述べることがあります。

決めた慰謝料や養育費で後悔しないように
調停をご自身で成立させた後で、法律相談に来られて「実は、決めた慰謝料や養育費が相場より高かった(安かった)」と後悔する事があるので、注意が必要。
調停での交渉を有利に進めるためにも、弁護士に相談、依頼する方が安心です!

裁判所に「訴状」を出して、離婚、慰謝料、親権などを取り決めてもらう手続き。

言い分が対立する部分は、書類や証人尋問などで証明する必要があります。

メリット
  • ・裁判の途中で和解することもできるので、話し合いの余地を残しつつ、判決を求めるための主張、立証が可能。
  • ・裁判の途中で話がまとまらなくても、裁判官が結論を決めてくれ、相手の同意が不要。結論の出る保証のない夫婦間の交渉、調停と異なり、結論が出るため、かけた時間が無駄になりません
  • ・判決には強制力があるので、相手の同意が不要。判決を役所に提出すれば戸籍上も離婚となり、財産の請求に応じてくれなくても、強制執行の手続きが可能。
デメリット
  • ・原則として調停を経る必要があり、いきなり裁判離婚を求めることはできません。
  • ・約1か月おきに、裁判の期日が入る事が多く、解決までに少し時間がかかることがあります(経験上、半年+α程度で終わることが多いです)。
  • ・「訴状」などの様式が厳格に定まっています。また、盛り込む中身も、判例・法律に基づいたものが求められるため、弁護士に依頼することなく、的確に主張、立証することは難しいです。
  • ・夫婦や証人の尋問も場合によっては行う必要があります。弁護士に依頼せず、効果的に尋問することは難しいです。
裁判では、的確な主張、立証で、裁判官の心をつかむ必要があり、弁護士に依頼することを特にオススメします。



親権

子がいる場合、夫婦のどちらかを親権者として定めなければ、離婚できません。

20歳未満の子のために、契約や財産の管理をしたり(財産管理権、代理権)、
子の身の回りの世話や教育をする権利(監護(かんご)教育権)。

ポイント

現在、夫婦のどちらが養育しているか
別居している夫婦の場合、現在どちらが子を養育しているのかがとても重要です。

子を養育している期間が長いほど有利
別居して、どちらか一方が子を養育している期間が長ければ長いほど、現に養育している親に親権が認められやすくなります。

こどもにとって良い環境か
別居中で、子を養育している親ではない方が親権を求める場合、今のこどもの環境を変えることが、誰が見ても適切であると言える事情があるかどうかが重要
(例:子に対する暴力、収入、生活力がなく、ろくに食べさせていない等)。

子を連れ去ることは許されません
別居して、相手が子を養育しているところを、無理矢理、あるいは騙して子を連れ去ることは許されません。

乳幼児について、母の監護を優先
子が乳飲み子であるなどの場合、母親が優先されやすくなります。

複数の子は、同一の親権者に
子が2人以上いる場合、別々に親権が決められることもあるので、そうならないように主張、立証を工夫する必要があります。

親権者でなくても親として子と会う権利がある
親権が片方の親に決まっても、もう片方の親も親に違いないので、親として子と会う権利があります(面接交渉権)。




面接交渉権

親権を持たない親が、その子と会う権利及びこれを親権者に求める権利。

ポイント
  • ・会う回数を目安として決めることが多いですが、厳密に何回は決めにくいです。場所や日時、どちらが子を連れて行くのかなどは、時々に応じて協議することになります。
  • ・最初は信頼関係が築きづらい事もありますが、会って問題がない状態が積み重ねられると、回数、時間などが増えやすくなります。
  • ・養育費を払わないから、会わせない、とすることはできません。しかし、きちんと支払がある方が、信頼が生まれることは間違いないです。





財産分与

夫婦で作ったと認められる財産について、貢献度に応じて分け合う制度。

結婚してから離婚するまでの間に、名義にかかわらず、夫婦で作ったと認められる財産について、
貢献度に応じて(基本的には50:50で)分け合う制度。

ポイント
  • ・親から出された財産がある場合に、夫婦でもらったのか、夫婦の一方がもらったのかによって結論が異なります。
  • ・不動産があり、時価よりも残ローンの方が大きい場合、どちらが所有し住むのか、ローンはどちらが払うかなどの工夫が必要。
  • ・退職金も財産分与の対象となりますが、定年が相当先の場合、分け方や額について工夫が必要。
  • ・離婚を先にした場合、離婚成立から2年で財産分与の権利は時効にかかります。





婚姻費用分担請求

夫婦が別居してから、離婚成立までの間、収入の少ない方が多い方に生活費の支払を求めること。

ポイント

  • ・夫婦双方の収入、子の数、年齢でおおよその目安が決まります(実務では、裁判所の作った「婚姻費用の算定方式・算定表」で決めることが多いです)。
  • ・いつの時点の分から請求できるかについては、婚姻費用の請求をした時からとする考え方が有力。
  • ・難病を抱えて、治療費がかかるなど、特別の事情があれば、調整されることがあります。
  • ・相手が住む家や相手が使っている車などのローンを払っている場合、支払っているローン額を婚姻費用に含めることができるかについては、考え方が分かれます。

  • ・婚姻費用を支払う義務を負う側は、離婚成立までに時間がかかればかかる程、支払わなければならない金額が増えます。他方、婚姻費用の支払を求める側に、収入、生活力がない場合、婚姻費用の取り決めまで相手が支払をしなかったら、事実上、生活が苦しくなる危険もあり。
  • ・婚姻費用は離婚など他の請求とは別に、先行して調停、裁判を求めることが可能。特に大切な権利として、離婚等とは別に、裁判所も先に決めることが多いです。




養育費

子の親権を持つ者が、子の親権を持たない者に負担を求める、養育のための費用。子の数、年齢によって決まります。

ポイント


  • ・養育費は、子が何歳になるまで、請求できるのかは、親の学歴、収入などによってケースバイケースですが、20歳までと定められることが比較的多いです。
  • 後で事情がかわった場合(再婚して子供ができたとか、失業したなど)、あらためて金額の変更を求めることが可能なケースも




慰謝料

慰謝料は、2種類あります。
相手に違法なことをされたことによる、苦痛に対する慰謝料
相手が違法なことをしたことが原因で、離婚せざるを得なくなった苦痛に対する慰謝料

ポイント

  • ・違法なことを相手が否定した場合、証拠で証明する必要があるので、証拠を残しているかが重要(一見、証拠がなさそうに見えても、証明できる場合もあるので要注意)。
  • ・慰謝料の額は、違法なことの中身、頻度、結婚期間、収入などによって決まります。古い統計ですが、東京地裁が欠席判決以外で判決になった事件で認めた慰謝料額の平均は190万円と報告されています。
  • ・違法なことをされた事自体による個別の慰謝料は、損害が発生してから3年で時効にかかります。

  • ・夫婦が完全に破綻した後に、違法なことがあった場合(他の異性と性交渉をしたなど)には、違法なことが原因で離婚したとは言えないので、離婚したことに対する慰謝料は発生しません。
  • 慰謝料が発生しなくても、離婚原因となる場合もあります(他の異性と性交渉はしていないが、頻繁にデートして、家庭を顧みなかったなど)。




年金分割

離婚後、老後の生活を左右する年金分割制度。

結婚してから離婚するまでの厚生年金の年金記録(基礎年金は含まず、報酬比例部分のみ)について、
合意、裁判上の手続きを通じて一定割合を、
又は相手の扶養に入っている配偶者の場合に半分を離婚する際に移し替える制度

ポイント
  • ・夫婦が分割割合をとりきめて、年金事務所で手続きしてもよいですし、調停、裁判で取り決めて、年金事務所に手続きしてもらってもよいです。
  • ・離婚時に取り決めていなくも、後になって調停、裁判で決めてもらうことが可能ですが、離婚成立の翌日から2年で時効にかかります。
  • ・公刊物によると、裁判所が分割の割合を決める場合、50:50以外の結論になっているものはありません(平成26年1月現在)。
  • ・相手の扶養に入っている配偶者(第3号被保険者である主婦等)の場合、協議や裁判を必要とせず、強制的に半分を分割請求できますが(3号分割といいます)、対象となるのは平成20年4月1日以降の婚姻期間中で、かつ主婦等の被扶養配偶者に厚生年金の保険料を納めた期間に限られる点に注意が必要です(平成20年3月31日以前に納付記録がある場合、結局、協議又は裁判上の手続を使う必要が出てきます。)


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