当事務所が過去に解決した事例の一部をご紹介いたします。
是非ご参考になさってください。
相手方に不貞行為が存在する中、養育費として月々16万5000円の支払を受け、
これとは別に、解決金として700万円の支払を受ける内容で離婚審判(調停に代わる審判)が確定しました。
相手方は、当初、不貞行為を否認していましたが、離婚調停の中で、
不貞行為の主張、立証を具体的に行ったところ、不貞行為の存在を認めるに至りました。
その上で、慰謝料及び解決金の額を幾らにするかについて、調整を行ったところ、
相手方は当初、200万円の解決金の提示を行ってきましたが、交渉の結果、700万円の支払を
3回払いの短期間の分割で受ける内容で合意に達しました。
裁判所が遠方のため、調停を成立させるには当事者双方が裁判所に出頭の必要があることから、
調停に代わる審判を裁判官に行っていただき、双方、不服申立権の放棄を行い、確定させる形を取りました。
これに加え、月額16万5000円の養育費の支払を受ける内容とすることができました。
不貞行為を行った側から離婚調停を申し立てた場合、申し立てられた側の対応としては、
離婚の条件として、慰謝料、財産分与はもちろんの事、解決金の支払を求める事が多いかと
思われます。
この点は、離婚する事により、婚姻費用(配偶者の生活費を含んだ生活費)が養育費(子のみの生活費)に下がるという経済的利益を
相手方は受けることとなるところ、離婚を行うには、特に落ち度がない事案では5年程度の別居、離婚を求める側に不貞行為が存在する事案では、
相当長期間の別居(7~10年程度)及び未成熟の子がいないこと(経済的に独立して然るべき年齢(20歳程度)に達していない子がいないこと)が
要件となり、このような長期の年数×(婚姻費用と養育費の差額)分、支出を免れる点を捉えて、解決金を求めることが考えられます。
本件では、不貞行為を相手方が行ったものの、相手方が具体的な解決を示さないことから、離婚調停の申立て自体は、当方から行いました。
ただし、「不貞行為を行ったのは相手方であり、元々、相手方から離婚を求めたところ、相手方が具体的な中身を話さないことから、
やむを得ず、当方から離婚調停を申し立てたものであり、条件が誠意あるものでなければ、取下げを行う考えである」という条件付きでの申立てを
行っております。
不貞行為を受けた側から離婚調停を申し立てるのは不利ではないか、との考え方もありますが、本件では、相手方の不貞行為の確実な証拠があった事から、
どちらにしろ、相手方から離婚訴訟等を起こしてきて、破綻等の主張を行ったとしても、有責配偶者からの離婚請求に当たると判断される見通しであったことから、
上記のような条件付きの離婚調停を当方から申し立ててもリスクが少なく、早急に離婚を成立させたいとの依頼者の方のご意思からすると、相手方からの離婚調停を
待っても、いつになるか分からないことから、条件付きの申立てを当方から行うことをご提案し、そのように進めることとなったものです。
相手方は、当初は、このような解決金を求める法的根拠はない旨、主張していましたが、複数回の協議の結果、700万円の解決金を行う形で
合意に達し、その内容で調停に代わる審判を受け、これを確定させることができました。
(なお、財産分与については、相手方には住宅ローンが存在し、求めても、ほとんどプラスにならないか、むしろマイナスとの見立てを依頼者の方が
行っておられた事から、方針決定の際、財産分与をこちらからは求めない事としております。従って、相手方から金額を確保するには、慰謝料、解決金で支払を受ける
必要があった事案という事になります。)
離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は、姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。
豊富な解決実績に基づき、お客様と一緒によりよい解決方法を考えます。
当方に有責性が認められる行為が存在する事に争いがない中、
解決金の支払いを行う事で離婚調停が成立しました。
慰謝料を含む、解決金として250万円を支払う形での離婚調停が成立しました。
有責性が認められる場合、離婚慰謝料として、婚姻期間が20年に満たない場合h、
150万円程度までの支払が判決では認められることが多いです。
また、有責性が認められる場合、最高裁の判例上、①相当長期間の別居(7~10年程度)、
②未成熟子(経済的に独立して然るべきとは言えない子)がいないこと
が離婚が認められる要件となるところ、本件の場合、別居期間も短く、また、未成熟子が存在することから、
訴訟で離婚が認められることは期待できず、離婚調停で条件を整えて合意するより他はない状態にありました。
このような事から、有責配偶者からの離婚請求の場合、一般的な慰謝料とは別に、一定の上乗せをして解決金を
支払うことも検討する必要が生じます。
離婚が成立した場合、離婚が成立しなかった場合と比べて、婚姻費用から養育費に下がるため、
他方配偶者分の生活費分を、離婚成立後は支払わなくて済むことから、有責配偶者側にとっても、早期解決による経済的利益が
見込まれます。
本件では、最終的に、これに100万円を加算した250万円の解決金(慰謝料含む)を支払う形で、
離婚調停の成立させることができました。
本件の婚姻費用と養育費の差は3万円程度であったところ、有責性が認められる場合の相当長期間の別居などの要件を
考えると、判決で離婚が認められるのは、子が成人する10数年後と考えられる事から、当方にとってもメリットが大きい解決で
あると考えることが可能かと思われます。
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夫婦が互いに、相手方に対し、不貞行為等を理由とした慰謝料請求を行う形で
離婚訴訟が係属していたところ、当方からの慰謝料請求を認める形で、裁判上の和解離婚が成立しました。
夫、妻共に、相手方の不貞行為が原因で本件離婚を余儀なくされた、と慰謝料請求を
離婚訴訟内において行っていました。当方は、これとは別に、相手方からの暴力も離婚の原因であったとして、
これも慰謝料請求の理由に含めていました。
尋問において、暴力の存在が明らかになった上、判決前の和解として、裁判所から、慰謝料額100万円での
和解案が出されました。
結果、慰謝料、財産分与を合わせて400万円を相手方から支払を受け、これとは別に子の養育費として月5万円の
支払を受ける形で裁判上の和解が成立しました。
離婚調停や離婚訴訟に際し、相手方の不貞行為や暴力等を理由に、離婚せざるを得なくなった事に対する慰謝料
(いわゆる、「離婚慰謝料」)を請求することがあります。
この場合に、相手方からも、不貞行為や暴力等を理由に離婚慰謝料の反訴請求等がなされることがあります。
この点については、裁判所は、結局のところ、夫婦双方の帰責性の程度に差があるか否かを見て、慰謝料を認容するか、
認容するとして、幾らとするかを決める傾向にあります。
例えば、夫婦が同時期に不貞行為を互いに行っていた、という場合、通常は夫婦の帰責性の差はなく、
いずれの慰謝料請求も認められない、と言う事になりやすいかと考えられます。
対して、本件では、当方が不貞行為を始めた時期よりも、かなり前から不貞行為を始めており、しかも、不貞行為の相手方が
同時に複数存在し、回数も頻繁であった事や、相手方からの暴力等を主張、立証し、帰責性の差を丁寧に裁判所に理解いただくことを
心がけました。
結果、裁判所より、相手方が100万円の慰謝料を払うべきとの内容を含む和解案の提示を受け、
これを元に、上記の通り裁判上の和解離婚が成立しました。
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不貞行為の相手方に対して、200万円の不貞慰謝料を請求し、
その支払を直ちに受ける形で示談が成立しました。
離婚自体は行わず、婚姻関係を継続する場合、慰謝料額は100万円程度までと
なる事が多いですが、本件では、200万円の支払を一括で受ける形で示談が成立し、
有利な解決となりました。
裁判実務では、不貞行為の相手方に対する慰謝料請求において、認められる慰謝料額として、
離婚をせざるを得なくなった場合と離婚はせず、婚姻関係を継続する場合とで金額に違いが生じることが
多いです。
不貞行為があったものの、離婚はせず、婚姻関係を継続するという場合は100万円程度までとなることが判決では多いです。
対して、不貞行為により既に離婚しているとか、現在、離婚調停等を行っている、あるいは離婚に向けた別居状態にあるという場合などは、
不貞行為の相手方に対して、離婚せざるを得なくなった離婚慰謝料は請求できないものの、婚姻関係が破綻に至った事の評価として、離婚慰謝料に
近づけて150万円程度の額を設定する事も多いです。
本件では、離婚自体は行わない(ただし、夫婦関係が完全に改善している訳ではなく、様子見の状態)中での慰謝料請求であったものの、
配偶者と不貞の相手方が過去にも不貞行為を行っており、二度と会わない旨、不貞の相手方が約束していたものの、これを破って継続的に
不貞行為を行っていたという事情が存在した事から、これを増額事由として主張し、200万円の請求を行ったところ、
最終的に相手方はこれに応じ、一括で即時に支払う内容で示談が成立しました。
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当方に不貞行為が存在するように評価されやすい不利な事実がある中、
財産分与の金額に30万円程度上乗せした金額の解決金を支払う内容で、
裁判上の和解離婚を成立させることができました。
当方には、別居後、異性の家を間借りしているという不利な事実がありました。
不貞行為自体は否認しているものの、裁判実務では、性交渉があったものと推認されやすい事から、
不利な状態と言えるかと思われます。
これに対し、当方は、別居前から、相手方による多額の使途不明金の存在を主張し、
通帳等からその説明を求め、その説明内容に合理性がない事を主張しました。
最終的には、上記の通り、当方の考える財産分与の金額に30万円程度上乗せした解決金を支払う形で
裁判上の和解離婚を成立させることができました。
不貞行為の認定がなされた場合、有責配偶者という事になり、
有責配偶者からの離婚請求として、離婚が認められるには、7~10年程度は別居期間が必要となり、
その間、婚姻費用(生活費)を払い続けなければならなくなります。
従って、有責配偶者からの離婚請求の場合、早期に離婚を成立させることで、7~10年分の婚姻費用の支払を免れることが
できる事から、和解としては、離婚慰謝料(150~200万円程度)とは別に、婚姻費用の7~10年分程度の支払をして和解離婚を成立させるという事もあるところですが、
本件では、上記の通り、こちらの考える財産分与の金額に30万円程度上乗せした金額で(従って、早期離婚成立のための解決金としては30万円と考えることができます。)、
和解離婚を成立させることができ、大幅に離婚成立のための解決金額の低減を図ることができたと考えることができます。
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当方に不貞行為が存在する事には争いがない中、
未払婚姻費用80万円程度も含めた解決金として260万円を支払う形で
離婚調停を成立させることができました。
本件では、自宅不動産が存在し、その価値をいくらと見るかが問題となっていました。
相手方は、当初、不動産会社の査定書の金額によるべきとしていましたが、当方は、
机上査定の額と実際に売却できる額では意味が異なる事から、固定資産評価額に近づけて考えるべきであり、
これが難しいようであれば、鑑定によるべき事となるが、鑑定をしないのであれば、結局、固定資産評価額によらざるを
得ない旨、主張しました。
相手方は、鑑定までは行わず、金額を大幅に下げて見ることとなり、慰謝料、財産分与、未払婚姻費用も含めた解決金
260万円で解決することができました。
不貞行為の存在に争いがない場合、通常は破綻あるいは破綻に近い状態との主張を
行っても、認められるケースは少なく、相手方にも一定の帰責性があることが証拠で示せない場合、
離婚慰謝料として婚姻期間の長短により、150~200万円程度は判決でも認められる事が多いことから、
解決金としてこの程度の金額はある程度、覚悟しなければならない状態にあると言えます。
離婚成立までの間の生活費である婚姻費用の支払義務者の立場にある場合、
離婚調停を早くまとめなければ、配偶者分の生活費を余分に負担しつづけることとなる、
(離婚すると、子の養育費のみの額となる)点にも留意が必要となります。
殊に、不貞行為を行った、有責配偶者側が婚姻費用の支払義務者の場合、別居期間が相当長期間かつ、未成熟の子(経済的に独立していない子がいない事)
が離婚が判決で認められる際の要件となるため、何としても調停で条件を整えて離婚を成立させる必要がありました。
他方で、不動産の評価については当事者間に争いがある場合、最終的には鑑定を行う必要がでてきますが、
鑑定を行う場合、物件が1件であっても、50~100万円程度はかかると考えておく必要があること、
本件では住宅ローンもあることから、かなり高額の鑑定が出なければ、費用対効果が合わないため、相手方は鑑定までは行ってこないのではないか、
との予測を立て、不動産の評価については積極的に争いました。
このため、解決金額に幅が生じることとなり、相手方からも譲歩を引き出し、
結果、相手方の言い分通りの場合よりも200万円程度、少ない解決金額で調停離婚を成立させることが
できました。
慰謝料額として本来、150~200万円程度は覚悟しておかなければならない点も踏まえると、
未払婚姻費用も含めて260万円との条件は、当方に有利なものと言えるかと思われます。
(有責配偶者につき、離婚しづらい点を踏まえて、解決金がかなり加算されることもよくあります。)
なお、相手方が当初、就労していないので、婚姻費用の算定に際し、収入0円で考えるべき旨、
主張していましたが、その後、就労している事が発覚し、その旨、証拠を出して主張したところ、
相手方の認めるところとなり(就労していない旨の書面を出した後に就労を始めたとの説明でした。)、
収入があることを前提とした婚姻費用、養育費の定め方にもすることができ、負担を減らすことが出来ました。
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豊富な解決実績にもとづき、お客様と一緒によりよい解決方法をかんがえます。
配偶者ではなくその親と共有状態にあった自宅について、
配偶者の親から当方に事前に共有持ち分移転登記手続に必要な書類の交付を受けた状態で、
その他の財産分与金を配偶者からもらう形で離婚調停を成立させることができました。
相手方は、当初、当方に不貞行為があった等として慰謝料を求めた他、
当方の退職金の半額や当方の自宅の持ち分の移転を求めていました。
対して、結論として、当方が支払う慰謝料はなしとし、また、財産分与として
当方が支払うべき金員はなく、逆に、相手方から財産分与金の支払を分割で受けること、
離婚調停成立以前に、事前に配偶者の親から当方への自宅共有持ち分移転登記手続に必要な書類の交付をうけた上で、
離婚調停を成立させることができました。
当方に最大限、有利な解決となりました。
本件の不動産については、別居開始が何年も前であった事から、その時点では住宅ローンの残があり、
対して、現時点においては住宅ローンは完成しているとおいう特殊性がありました。
財産分与の基準時は離婚に向けた別居を開始した時点ですので、住宅ローンについても、別居開始時の残により
考えることとなります。そうすると、むしろ、当方の財産を住宅ローンと通算すると、当方はマイナスとなり、
相手方に払うべき金員はなく、逆に相手方から財産分与の支払をうける必要がありました。
そこで、別居時点では実質的に無価値であった配偶者の親名義の共有持ち分を当方が取得することとし、
これとは別に、相手方から財産分与金を支払を受ける内容で離婚調停をまとめることができました。
なお、配偶者の親は調停の当事者ではない上、調停手続に出頭することが年齢上、困難であることから、
調停成立より前に、共有持ち分の移転登記手続に必要な書類を当職に事前に預けていただき、離婚調停成立後に
共有持ち分移転登記手続をスムーズに行えるようにしました。
このように、配偶者以外の親族と共有関係にある場合、本来は財産分与では解決できず、共有関係を解消するには
別途合意するか、訴訟を別途起こす必要があり、これを夫婦間の財産分与において実質的に解決するには工夫が必要です。
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財産分与として2500万円以上の財産を取得する形での財産分与の内容を含む
離婚訴訟での裁判上の和解が成立しました。
離婚調停が決裂し、離婚訴訟にまで発展していましたが、その間も
月14万円の婚姻費用を受け続けることができました。
その上で、財産分与についても離婚訴訟内で、主張、立証を尽くし、
結果、2500万円以上の財産を当方が取得する形での財産分与が裁判所から
和解案として示され、和解成立に至りました。
財産分与について、調停段階で、相手方は特有財産の主張を行ったり、
当方の特有財産に属するものを夫婦の共有財産と主張する等して、当方の考える適正な財産分与額を
大幅に下回る金額を述べていた事から、やむを得ず、訴訟提起に至りました。
長期化した側面はありますが、婚姻費用分担調停により月14万円の支払を受けることが出来る状態に
あったため、不利な条件で無理に話をまとめる必要がなくなりました。
このように、特に紛争が長期化する場合は、婚姻費用分担調停、審判を申し立て、月々、生活費をもらえる状態に
しておく事が有益と言えます。(本件では結局、300万円以上の婚姻費用を得ています。)
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豊富な解決実績にもとづき、お客様と一緒いnよりよい解決方法をかんがえます。
当方に不貞行為が存在する事に争いがない中、
解決金100万円及び通常通り(算定表通り)の養育費で離婚調停を成立させることが
できました。
相手方は、当初、慰謝料額としては350万円程度を当方が負担すべきと
主張していました。
また、財産分与においても、
①当方の親が相手方ないし子に対して、一括して保険料を負担した
保険についても、相手方は個人的に贈与を受けたものであり、固有の財産であり、離婚時の財産分与の対象には
含まれない
②子名義の預金についても、子への祝い金等で形成されており、同じく固有の財産である
③別居時に、興信所の費用130万円程度及び引越費用を預金から支払っているが、興信所の費用の半分を
当方が負担すべきであるし、不貞行為により引越を余儀なくされたのだから、引越費用は当方が負担すべき
との主張をしていました。
これに対しては、
①相手方、子名義の保険については、相手方である事に着目してなされたものではなく、相手方が申立人の配偶者である事に
着目してなされたものであり、便宜上、配偶者名義となっているに過ぎず、実質的には当方固有の財産である、仮に配偶者、子の財産と
考えた場合でも、実質的には夫婦に対する贈与と見るべきであり、財産分与の対象となる
対して、当方名義の保険で当方の親が保険料を支払ったものは、自分の子である事に着目したものであるので、固有の財産であり、
財産分与の対象には含まれない
②子名義の預金の規模と夫婦の預金の規模を比較すると、子名義の預金の割合が大きく、何かあった時には
家計に回ることが想定されていたものと考えられ、財産分与の対象となる
③興信所の費用は、慰謝料と同じく、損害賠償の問題として考えるべきところ、実務上、慰謝料額の1割程度までしか
相当因果関係が認められないとするのが一般的であるし、引越費用を当方が負担すべき婚姻費用とは言えず、相手方が
財産分与を先取りしたと見るべき
と主張しました。
双方の主張、立証が一通り出そろった段階で、裁判所より、
①配偶者名義の保険は2分の1を配偶者固有の財産と見て、2分の1を共有財産と見て
財産分与の対象とする
当方、子名義の保険は共有財産とみて財産分与の対象価値とする
②子名義の預金は共有財産とみて財産分与の対象価値とする
③興信所の費用、引越費用を財産分与において負担する必要はない
との解決案を示しました。合わせて、別居開始後に相手方が引き出した金額については、未払婚姻費用に充当する
解決案を示しています。
その上で、慰謝料については、既に100万円を相手方が、不貞行為の相手方から受領している事も含め、
これとは別に100万円を解決金として当方が払う旨の解決案が示されています。
有責配偶者である事に争いはない事から、当方から離婚訴訟を起こしても、最高裁判例の考え方より、
子が経済的に独立する年齢まで別居しなければ、離婚できない、とされる可能性が高い(=その間、配偶者の生活費も含む婚姻費用を
払い続けなければならない)状況にある中、100万円を解決金として支払う形で離婚調停を成立させることができ、経済的負担を相当抑えることが
できました。
その他、細かいですが、養育費の終期を相手方は22歳までとしていたのに対し、原則どおり20歳までとすべき旨、述べ、
20歳までとして調停が成立しています。
本件のポイントは、当方に不貞行為が存在する点に争いがない点にあります。
不貞行為を行った側が離婚訴訟を起こしても、最高裁の考え方は、
①相当長期間の別居(実務上、7~10年程度と言われています。)
②未成熟の子(経済的に独立していない子)がいないこと
の2つの要件を満たさなければ、請求は認められないことから、
何としても調停=話し合いで解決する必要がありました。
もっとも、当方に有利な点であり、かつ、裁判所に受け入れてもらえる可能性が高いと判断される点については、
有効に活用すべきです。
そこで、まず、財産分与に関して、当方に有利に主張、立証できる点を明らかにしていき、
調停手続内で、裁判所の見解を求め、財産分与の論点において当方の見解が優位であることを
明確にしました。
慰謝料についても同様です。
その上で、「合意しなければ離婚しづらい」という当方の弱点も考慮すると、判決において認められる慰謝料額よりは
多めの解決金を支払う事も考える必要がありました。
そうした中、裁判所の見解を得た上で、100万円の解決金を支払う形で調停離婚を成立させることができました。
このように、離婚調停は、有利な事情、不利な事情、これが裁判所に認められる可能性の程度や、相手方の考え方、性格、
その時点における調停の局面などを総合的に考えて、展開を考える事が重要であり、離婚の弁護経験が活きる場面とも言えます。
離婚を弁護士に相談、依頼をお考えの方は、姫路の城陽法律事務所まで遠慮なくご相談ください。
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当方名義及び子名義の預金を全て当方が取得する代わりに、
大学進学費用を特別の経費として養育費に加算請求しないことを条件として
離婚調停が成立しました(養育費の基本額部分は22歳まで支払を受ける内容)。
相手方には、住宅ローンが存在し、財産分与としては当方が相手方に対し
請求することが仮に出来たとしてもそれほど大きな額にはならなくなる可能性がありました。
また、相手方の収入には変動が大きく、養育費を継続的に支払ってくれるのか及び
将来、子が大学に進学した際に、進学費用を特別の経費として加算する養育費増額請求が認められるか
否かも問題となり得る事案でした。
そこで、子の預金については金額の大きさに鑑み、本来、当該事案では子の財産ではなく、
財産分与の対象と見られる可能性が高かったこと、他方において、当該預金は子の大学進学等に備えて
設定されたものであったことに着目し、大学進学費用を請求しないことを条件に、子名義の預金も含め、
当方で管理している財産全てを当方が取得する形で離婚調停を成立させることができました。
離婚時の財産分与において、
子の預金や学資保険がある場合、当該財産の原資が子のお年玉やお祝い金のみで
形成されている場合には、子の財産と見られる可能性が高いですが、
親の収入が混じっている、あるいは全て親の収入から拠出されている場合、
金額的に僅少であれば別ですが、ある程度の金額であれば、夫婦の共有財産として、
離婚時の財産分与で清算する対象となる可能性を考える必要があります。
このような場合、離婚までの間の別居中の生活費である婚姻費用や離婚後の子の生活費である養育費を
決めるに際し、双方合意の下、子名義の預金や学資保険を大学進学費用に充てる(=子を養育する側が取得する)ことを条件に
養育費の特別の経費加算を行わないという方法を採ることが考えられます。
メリットとしては、相手の収入の変動に左右されないこと、婚姻費用、養育費において特別の経費として加算すると、学費部分を
一括して支払ってもらえる訳ではなく、月々の分割となってしまう事から、預金、保険を取得することで、実質先払いを受けた事に
なること等がかんがえられます。
本件においては、財産分与において他にも特有財産の論点があり、訴訟で財産分与を行った場合の
見通しが当方に不利になる可能性も考えられることや、相手方の収入の変動リスク、早期離婚成立により母子手当がもらえる事などを
勘案し、上記内容で離婚調停を成立することができました。
このように、離婚の条件を考えるに当たっては、主張、証拠の優劣を踏まえて、仮に調停を不成立とした場合の
訴訟における判決の見通しも踏まえて、交渉を行う事が不可欠と言え、ここに弁護士が離婚事件の代理人としてつく事の
メリットの1つが存在すると言えます。
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